スピナードルフィンの赤ちゃん誕生シーンをのぞいてみよう

ハワイ諸島の美しい海には、ハワイアンスピナードルフィン(はしながイルカ)と呼ばれる小型のイルカたちが生息しています。彼らはその名の通り、ジャンプしてスピン(回転)する華麗な動きで知られ、観光客にも大人気の存在です。しかし、このイルカ達には、あまり知られていないもう一つの魅力があります。それは、母イルカたちが見せる出産と子育ての神秘です。

ハワイのスピナードルフィンとは?

ハワイに生息するスピナードルフィンは体長約2メートルほどの小型のイルカで、比較的細身の身体と細長い口ばしを持っています。ハワイ諸島近海には、このイルカ達が住み着いている為、研究者達は、ハワイアンスピナードルフィン(ハワイのイルカ)と呼んでいます。日中は沿岸の静かな湾で休息し、夜になると外洋へ狩りに出かけるという1日のルーティーンがあります。

出産の時期と場所

スピナードルフィンの出産は通年見られるものの、ハワイでは特に春から夏にかけての暖かい季節に多く確認されます。出産場所として選ばれるのは、外敵から守られやすく、波が穏やかで水深の浅い入り江やラグーン。オアフ島の西海岸やラナイ島、マウイ島などの静かな入り江は、母イルカたちにとって理想的な「マタニティスポット」となります。また、スピナードルフィンは、一生のうちに約7~ 10 回の出産をすると言われています。メスイルカは、2~3年に一度出産をするようです。これは、個体差や環境条件によって異なることもあります。

イルカは哺乳類なので赤ちゃんを胎内で約10か月の間育て、水中で出産します。赤ちゃんは頭からではなく尾びれから生まれます。これは、産まれた直後にすぐに肺呼吸ができるようにするためです。水中での出産は、他のイルカたちの助けを借りながら行われることもあり、母イルカのそばには助産婦のような役割を果たすメスイルカが寄り添う姿も観察されています。イルカにも社会が成り立っているんですね。

ハワイのイルカ

赤ちゃんイルカの誕生、出産後も群れで子育て

生まれたばかりの赤ちゃんイルカは、体長約80cm〜1m、体重は10kg前後。生まれてすぐに母親の背中の近くで泳ぎながら、母乳を飲んで成長します。授乳は最大2年間続きますが、生後半年ほどで少しずつ小魚やイカにも興味を持ち始め流ようです。

赤ちゃんイルカは泳ぎがまだぎこちなく、母イルカの背中にくっつくようにして泳ぐことも。これは「ドラフティング」と呼ばれる現象で、母親の体にくっつくことで水の抵抗を減らし、エネルギーを節約できるんです。

スピナードルフィンは社会性の高い動物で、母イルカだけでなく群れ全体で子育てをする傾向があります。とくに若いメスたちは保育係のような役割を担い、子イルカの面倒を見たり、一緒に泳いだりして、将来の出産への準備も兼ねて学んでいきます。出産を控えた母イルカや生まれたばかりの赤ちゃんイルカはとても繊細です。あまり近づかないよう配慮する必要があります。

このようにして、ハワイの海の中では命のリレーが静かに、しかし確実に続いているのです。

イルカ達の住む海を守るために

スピナードルフィンの出産は、ハワイの自然がもたらす神秘のひとつ。母イルカが命をかけて子どもを産み育てる姿には、私たち人間にも通じる深い愛情と本能が感じられます。これからもこの素晴らしい生態系を未来へと残していくために、観光客一人ひとりがイルカたちの生活リズムを尊重し、自然と共存する意識を持つことが求められています。

ハワイでは2021年にスピナードルフィンを守るためのルールも施行されました。ドルフィン&ユー野生のイルカウオッチングツアーも2021年より、野生のイルカと泳ぐツアーからウオッチングツアーへと変更させていただいています。また、ハワイの美しい海を守るため、ツアー中は、海に浮遊するゴミを拾いながらツアーを行なっています。

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