AIが海へ出る時代へ。イルカとその暮らしを守る新しい力
AI(人工知能)は、もはや研究室の中だけの存在ではありません。今、AIは海へと進出し、イルカやその生息環境を守る方法を大きく変え始めています。音声記録、ドローン映像、衛星画像などをAIが解析し、人の目や耳だけでは気づくのに何倍もの時間がかかるパターンを素早く見つけ出しているそうです。これまで研究者が一つ一つ手作業で聞いていた音声も、AIならイルカのホイッスル音を自動で検出。映像の中の水しぶきや群れの動きも見逃さず、どのエリアに、どれくらいの時間イルカが滞在しているのかを明らかにしています。ただ、大自然の中のこと、正確にその状況をAIが把握するのはまだ時間がかかるような気がします。
AIは「イルカの群」から「生息環境全体」へ視野を広げる
2025年、AIは個々のイルカの群れだけでなく、より広い視点でイルカの生息環境を捉える役割も担ってきています。何千時間にも及ぶ音声や映像データがAIに取り込まれることで、次第に明確な「海の地図」が浮かび上がってきます。
そこには、
- 静かで安全な休息エリア
- 餌を探すためによく使われる海域
- 沿岸に沿って移動する細いルート
などが徐々に示されています。さらに、船の往来や工事によって騒音が多く、イルカにとって負担になっている「ホットスポット」も可視化されます。また、AIは、出港前に複数の航路案を比較することもできるため、「よく見える」だけでなく「守れる」プランを選ぶことができます。こうして、広い海から得られたデータが、船上での毎日の判断につながり、情報が本当の保護へと変わっていくのかもしれません。

やさしい海のための、スマートなテクノロジー
これらの研究はハワイオアフ島の事例ではありませんが、同じような研究ができたら、私たちのようなドルフィン&ユー(ハワイで野生のイルカウオッチング)ツアー会社では、こうした傾向を参考にしながら航路を計画し、観察ポイントを選び、各エリアでの滞在時間を慎重に選べたらイルカといつまでも共存していけることと思います。そうすることで、お客様に感動的な体験を提供しながら、海への負担をできるだけ軽くすることができるようになるかと思います。また、この仕組みをガイドが説明することで、ゲストは「ただの観光客」ではなく「保全活動のパートナー」としての意識を持つようになるかもしれません。データを尊重するツアーを選ぶことは、テクノロジーと海への思いやりが共存できるというメッセージにもなります。
AIというと、どこか冷たい存在に感じるかもしれません。でも、このような事例を見ると海の上ではとても現実的で、温かい役割を果たしてくれそうです。人とAI、そして海。そのパートナーシップが、どれだけ島が賑わっても、ハワイオアフ島のイルカたちがこれからも健やかに生きていくための大きな力になるのかもしれません。
ドルフィン&ユーの野生のイルカウオッチングツアーは、35年以上の間、たくさんの皆さまへ癒しと感動を伝えてきたツアーです。


